記事一覧
- 特定健診・特定保健指導とは何か、その目的と概要(1)。
- 特定健診・特定保健指導とは何か、その目的と概要(2)。
- 特定健診、その内容について。
- 特定保健指導、その内容について。
- 特定健診・特定保健指導 基準値と数値の見方。
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特定保健指導、その内容について。
特定健診、その内容について。 で述べたとおり、「腹囲」と「追加リスクの数」に応じて分類される「特定保健指導」は、「情報提供」「積極的支援」「動機づけ支援」の、3段階にグループ分けされています。
まず「情報提供」は、「腹囲」の数値が前のコラムで述べた数値基準以下か、または数値基準以上であっても、「追加リスクの数」がゼロの人に対してなされます。
各検査数値の意味や、生活時における注意点などについての「情報提供」がなされます。
そして「積極的支援」は「追加リスクの数」が多い人(つまり、メタボ顕在化リスクの高い人向け)、また「動機づけ支援」は「追加リスクの数」が少ない人(つまり、メタボ顕在化リスクがやや低い「予備軍」向け)に対し、それぞれ用意されています。
「積極的支援」が必要な対象者として選定されるのは、以下の場合です:
・腹囲測定で男性85cm以上/女性90cm以上で、かつ追加リスクの数が2個以上
・腹囲測定で男性85cm未満/女性90cm未満であるがBMIが25以上で、かつ追加リスクの数が3個以上
また「動機づけ支援」が必要な対象者として選定されるのは、以下の場合です:
・腹囲測定で男性85cm以上/女性90cm以上で、かつ追加リスクの数が1個
・腹囲測定で男性85cm未満/女性90cm未満であるがBMIが25以上で、かつ追加リスクの数が1個か2個
ただし高血圧や脂質異常症、糖尿病治療のための薬を服用している人は、特定保健指導の対象から外れます。
特定健診・特定保健指導は生活習慣病の「発症の予防」が目的なので、すでに医療治療の対象になっている人は含まれないわけです。
「積極的支援」においては、保健師や管理栄養士らと面談したうえで日常生活を分析し、腹囲や摂取カロリーなどについて、具体的な目標数値を設定します。
そして3ヵ月から半年にわたって、食事や運動などの生活習慣改善に取り組み、その実施について電話・Eメール・手紙・FAXなどによる継続的な指導を受け、目標を達成しようとするものです。
一方、「動機づけ支援」においては、原則として初めに面接(グループディスカッションの可能性もあり)を一回受け、半年後に生活習慣が改善されたかどうかについての評価を受けるというものです。
ちなみに、株式会社日本医療データセンターの試算によりますと、40代で「積極的支援レベル」に該当する人は、その後の20年間で、1人あたり医療費の自己負担分(3割負担で試算、以下同じ)が118万円もかかるそうです。
「積極的支援レベル」に該当する40代の人の年間医療費は47,490円と試算されたのに対し、情報提供を行うレベルで済む40代の年間医療費は、なんと28,856円で済むそうです。
日本医療データセンター 『JMDC データで読むヘルスケアレポート』 Vol.4
メタボ対策をきちんと行っておくことは、長期的な家計の節約にも大きく貢献する...ということなのですね(笑)。
特定健診・特定保健指導とは何か、その目的と概要(1)。 でも述べたとおり、特定保健指導を最後まで受けた人の割合は対象者の15.9%(平成23年度現在、速報値ベース)と極めて低調な水準にとどまっているため、国や市町村としても今後の追加的対策が必要になってくるものと思われます。