特定健診と特定保健指導 3分でポイント理解 の記事一覧
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「特定検診(特定健康診査)・特定保健指導」は、平成20(2008年)4月から
40歳~74歳まで の医療保険加入者(妊婦などを除く)を対象に、新しい制度として実施される、健康診断・保健指導のことです。
この新しい健康診断・保健指導は、「高齢者医療確保法」という法律に基づくもので、全国で約160ある健康保険組合と、全国に約1,800ある国民健康保健組合などの医療保険者に対して制度的に義務づけられるものです。
特定健診・特定保健指導の目的は、生活習慣病の発症を未然に防ぐために、
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の該当者や予備軍を見つけ出し、
対象者に生活改善をみっちりと指導することにあります。
今や「メタボ」と言われ、すっかりおなじみの用語となったこのメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)。
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、国外では多少診断基準が異なるところがあるものの、日本では、内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖・高血圧・脂質異常のうち、いずれか2つ以上を併せ持った状態を
指す、と定義されています。
メタボリックシンドロームは、予備軍まで含めるとおよそ5,400万人いるとされ、なかでも40歳から74歳までの年齢層においては1,900万人に達すると推計されています。
これは、同年齢層の男性の2人に1人、女性では5人に1人が、メタボ該当者および予備軍という計算になり、まさに全国民的な病状と言えるでしょう。
現在、生活習慣病関連の疾患は、国民医療費全体のおよそ3分の1を占めているそうです。
高血圧や高脂血症、糖尿病などに代表されるこれらの生活習慣病は、ほとんどが慢性の病気でもあり、
また動脈硬化などさまざまな合併症も併発しやすいことから、発症すると多くの場合、病院に継続して通う必要が出てきます。
そうなると医療費のさらなる膨張が避けられないため、その早期発見・予防により、国全体としての医療費削減につなげていくことが狙いです。
厚生労働省は目標として、7年後の2015年までに、医療費を25%程度削減することを狙っているようです。
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「特定健診・特定保健指導」は厚生労働省の管轄のもと、企業の健康保険組合や国民健康保健(組合)、すなわちすべての医療保険者が実施の義務を課せられます。
これらの医療保険者は、特定健診の受診者が少なかったり、あるいは特定保健指導の効果が見られなかったりした場合、医療保険者が拠出しなければならない「後期高齢者医療制度への支援金」が増やされるという、
いわば「ペナルティ」を、5年後の平成25年度より課されることになっています。
そうなると、最終的には国民健康保険・健保組合の保険加入者が支払う「保険料の増加」となり、いつの日か
利用者の負担増としてはね返ってくる可能性がでてきます。
ちなみに「後期高齢者医療制度」は、もっとも医療費負担が大きい75歳以上の「後期高齢者」を一括りにして
管理することを目的とした、特定健診と同時期にスタートする新制度です。
この「特定健診・特定保健指導」が、もし国のもくろみどおりに機能した場合、必然的に75歳になったあと
「後期高齢者」に仲間入りしたその個人の医療費も、ある程度抑えられているはずです。
この二つの新制度をいわば「車の両輪」として、国全体の医療費の抑制・削減を大きくはかっていくという狙いが
あるわけです。
(なお、後期高齢者医療制度については、姉妹サイト「後期高齢者医療制度 5分で概要マスター」をあわせて
ご覧ください。)
このように目の前に"ムチ"をちらつかされている以上、市町村や健保組合としては、是が非でもきちんとやらなくてはならないわけです。
逆に、取り組みに優れ、目標達成において最高の評価を得られたような市町村などに対しては、保険者の
「後期高齢者医療制度への支援金」が最大20%程度減額されるという"アメ"も用意されており、インセンティブ
効果も同時に狙った制度となっています。
保険者にとっては義務であっても、加入者の側からすればあくまで任意で受診するものであるため、自治体としては強制することはできません。受ける側の皆さんが受けなくとも、別に罰則が課されるわけでもないのです。
ちなみに特定健診が無料か有料かについては、国が特に受診者の負担について定めていないことから、自治体や保険組合によっても対応が異なります。
しかしこの将来的ペナルティを恐れ、少しでも受診しやすい環境づくりを狙ってか、名古屋、大阪、北九州などの各市のように、自らの財政負担増となるにもかかわらず、国民健康保険加入者の特定健診費用を無料とする自治体もでてきています。
受診者を少しでも増やすべく、たとえ財政的に苦しくとも、やせ我慢をしている(笑)自治体も少なくないということですね。
ただし問題は、現在の健康診断の実施率そのものがそれほど高くないことから、そのもくろみどおりにゆくかどうかが危ぶまれているところにあります。
平成17年度における住民の健診受診率は、全国平均で約43%と、半分にも満たない状況です。
そういえば確かに、あなたの周りにもいませんか?
健診の結果にショックを受け、健康保険組合関連の「ヘルスアップ 体操セミナー
全4回コース」などに 勇んで出かけたはいいものの、筋肉痛や肉ばなれが
起きて、あまりのつらさに途中で参加挫折・脱落してしまった方が(笑)。
このように、「脱メタボを支援します」と国や健康保険組合が一生懸命
言ってくれたにしても、肝心の本人がモチベーションを維持できない限りは、国家的にみた目標達成のハードルも、なかなか高いわけです。
この特定健診、対象者となるあなたがサラリーマンの場合は、職場で今まで
どおり検診を受けることにより、特定健診を受診したことになります。
これまで市町村の健診を受けていた扶養家族(サラリーマンの奥様で、専業主婦の方など)も、今後は、被用者の保険で実施される特定健診の対象者になります(ただし代替的に、健保組合等に受診券を発行してもらい、国民健康保険による健診を受けることも可能です)。
国民健康保険の場合、40歳以上の方はこれまで市町村の基本健診を受けていたはずですが、これが特定健診へ移行するかたちになります。
国民健康保険の加入者に対しては、国民健康保険から「受診券」が送られてくることになります。
それでは、特定健診・特定保健指導の中身について、それぞれチェックしていきます。
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特定健診においては、これまでの健診項目に加え、新たに「腹囲測定」が追加されることになります。
近年の研究によれば、高血圧や高血糖につながる「悪玉の生理活性物質」が、内臓脂肪から大量に分泌されていることがわかっています。
よって特定健診においては、まず腹囲測定を行い、内臓脂肪の多い人を先にあぶりだすというやり方をとっているのです。
ちなみに、男女とも腹囲が「82センチ程度」になると、血圧・血糖値・脂質のいずれかに数値の異常が出やすくなる傾向があるそうですので、おぼえておきましょうね。
さて、特定健診の項目は、以下のとおりです。
【必須項目】
○質問票(服薬暦・喫煙暦など)
○身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
○理学的検査(身体診察)
○血圧測定
○血液検査
・脂質検査(中性脂肪/HDLコレステロール/LDLコレステロール)
・血糖検査(空腹時血糖またはHbA1C)
・肝機能検査(GOT/GPT/γ-GTP)
○検尿(尿糖・尿蛋白
【詳細な健診の項目】
以下の三つについては、一定の基準の下、医師が必要と認めた場合の詳細な検査として実施されます。
○心電図検査
○眼底検査
○貧血検査(赤血球数/血色素量/ヘマトクリット値)
特定健診の実施後、腹囲やBMI(体格指数)が「基準以上になっているかどうか」で、内臓脂肪の蓄積具合に
ついて、いわば"リスクの測定"を行います。
この「基準」ですが、以下のとおりです:
・腹囲測定において、男性85cm以上/女性90cm以上
・腹囲測定において、男性85cm未満/女性90cm未満で、BMI25以上
※BMI(体格指数)=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
ちなみに、腹囲(ウエストのサイズ)のはかり方ですが、リラックスした状態で、「おへその位置」で、メジャーを
水平に回します。
腹回りに脂肪がつきすぎておへそが下を向いてしまい、その位置がよくわからない方は、「肋骨の一番下」と
「骨盤の一番上」を結ぶタテ線のちょうどまん中あたりに、メジャーを水平に回してはかります。
腹囲が男性85cm以上/女性90cm以上あると、腹部断面の内臓脂肪面積が、メタボリックシンドロームの
判定基準となる100平方cmである、と推定されることになります。
上記の「検査結果」および「質問票」の項目に照らして、血糖・血中脂質・血圧そして喫煙暦の有無の4つから
成る「追加リスク」に該当するかどうかが、チェックされます。
4項目それぞれに設定された基準値を超えて、この「追加リスク」に該当した場合は、その該当した「追加リスク」の数に応じて「情報提供」「動機づけ支援」「積極的支援」と名づけられた3段階で用意される、「特定保健指導」を受けなければなりません。
4項目の基準数値の詳細は省きますが、基本的な選定方法は以下のとおりです:
(1)血糖......... 空腹時の血糖が、基準数値以上か?
(2)血中脂質... 中性脂肪が、基準数値以上か?
または、HDL(善玉)コレステロールが基準数値未満か?
(3)血圧.........最高血圧または最低血圧が、基準数値以上か?
(4)喫煙暦の有無
たとえば、「追加リスク」の数がゼロだった場合は、これはまだ必要な「情報提供」を行うレベルでOKだな、と
判定されるわけです。
その一方で、「追加リスク」の数が3つ以上該当してしまったような場合は、この人はメタボになるリスクは
かなり高いぞ...と判断され、「積極的支援」と呼ばれる、力の入ったサポート&フォローが待っていることに
なります。
次に、「特定保健指導」の中味について見ていきます。
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特定健診、その内容について。 で述べたとおり、「腹囲」と「追加リスクの数」に応じて分類される
「特定保健指導」は、「情報提供」「積極的支援」「動機づけ支援」の、3段階にグループ分けされています。
まず「情報提供」は、「腹囲」の数値が前のコラムで述べた数値基準以下か、または数値基準以上であっても、「追加リスクの数」がゼロの人に対してなされます。
各検査数値の意味や、生活時における注意点などについての情報提供がなされます。
そして「積極的支援」は「追加リスクの数」が多い人(つまり、メタボ顕在化リスクの高い人向け)、また
「動機づけ支援」は「追加リスクの数」が少ない人(つまり、メタボ顕在化リスクがやや低い「予備軍」向け)に
向け、それぞれ用意されています。
「積極的支援」が必要な対象者として選定されるのは、以下の場合です:
・腹囲測定で男性85cm以上/女性90cm以上で、かつ追加リスクの数が2個以上
・腹囲測定で男性85cm未満/女性90cm未満であるがBMIが25以上で、かつ追加リスクの数が3個以上
また「動機づけ支援」が必要な対象者として選定されるのは、以下の場合です:
・腹囲測定で男性85cm以上/女性90cm以上で、かつ追加リスクの数が1個
・腹囲測定で男性85cm未満/女性90cm未満であるがBMIが25以上で、かつ追加リスクの数が1個か2個
「積極的支援」においては、保健師や管理栄養士らと面談したうえで日常生活を分析し、腹囲や摂取カロリーなどについて、具体的な目標数値を設定します。
そして3ヵ月から半年にわたって、食事や運動などの生活習慣改善に取り組み、その実施について電話・Eメール・手紙・FAXなどに
よる継続的な指導を受け、目標を達成しようとするものです。
一方、「動機づけ支援」においては、原則として初めに面接(グループディスカッションの可能性もあり)を一回受け、半年後に生活習慣が改善されたかどうかについての評価を受けるというものです。
ちなみに、株式会社日本医療データセンターの試算によりますと、40代で「積極的支援レベル」に
該当する人は、その後の20年間で、1人あたり医療費の自己負担分(3割負担で試算、以下
同じ)118万円もかかるそうです。
「積極的支援レベル」に該当する40代の人の年間医療費は47,490円と試算されたのに対し、
情報提供を行うレベルで済む40代の年間医療費は、なんと28,856円で済むそうです。
日本医療データセンター 『JMDC データで読むヘルスケアレポート』 Vol.4
メタボ対策をきちんと行っておくことは、長期的な家計の節約にも大きく貢献する...ということ
なのですね(笑)。
最後に、メタボ対策に関心のある方のご参考として、 厚生労働省 メタボリックシンドローム 関連ホームページ を、ご紹介しておきます。
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